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過去の不合格にみる選択式対策(平25労災) [平29:受験対策]

今思えば、平24年の社一(社労士法)なんて、かわいいもんでした。平25年以降続く、さらなる選択地獄に比べれば・・・


詳細な出来事の記録はこちらの記事に譲ります。

【本試験振り返り】選択式:労災

この問題を昨年、もう一度読み返してみました。そこそこ択一の点も取れていましたし、受験生として基本的な知識は備わっていたはず。どう対処していれば正答にたどりつけたのか。

受験総括メモに、こう記しています。
  • 長い主語で、問われていることを理解するのに時間がかかった。・・・あせる
  • 「男性の全労働者」という表現のおかしさに気づけたか? 「男性労働者」でいいじゃん
  • 賃金「月」額と給付基礎「日」額の違いに気づけるか。月額から日額に落とし込むには?
  • 具体的に数字を入れて試してみよ

「ヒントは文中にある!」と信じて問題を読み込みました。「年齢階層」やら「給付基礎日額」といった、普段の勉強で見聞きした文言が出てくるので、まったく意味不明の文というわけでもありません。


しかし、長い修飾語がてんこ盛りの主語と述語にあって、空欄もあることから問われている意味がサッパリ分からない。分からないからあせる。この年の選択式は全体的に難易度が高かったため、他の科目へ割く時間も多く、労災ばかりに時間もかけていられません。


あせる・・・


試験が終わってからであれば何とでも言えます。しかし、問われるのはあの80分の緊張感、たったひとつのマークで「これでコケたら1年の苦労が水の泡」となる瀬戸際の中で、的確に解答する能力です。


この労災、1点補正が期待されましたが、結局2点止まりでした。どうして2点で止まってしまったかについては、先人がいろいろ研究してくれているので譲るとして、これくらいの難易度であっても「2点」をもぎ取ることを目指さなければなりません(まして、その後の研究によって、もはや1点補正は無いと覚悟したほうが良いことが分かっています)。


その年の合格者が当たり前のように押さえていたのが「 A 」と「 E 」だったと思います。このうち、「 A 」については、あの本番の時こそ難問と思いましたが、今見直すとあまりにもバカらしく、こんなくだらない肢で落とされたことに悔しさがこみ上げてきます(苦笑)。


私の場足、「 A 」を「全労働者」としてしまいました。考えられる選択肢を文中に当てはめると、

「男性の常用労働者」
「男性の全労働者」
「男性の非典型労働者」
「男性の労働基準法上の労働者」

となります。さて、まずこれだけ並べてみて、なぜ「男性」だけで留められなかったか考えてみます。すると、「労働者」という共通ワードがあとに続きますので、「そうか、これは人口問題でいうところの『オトコ全部!』ではなく、男性の中でも『労働者』に特化した話なんだな」と整理できます。


すなわち、「男性労働者」でいいですね。その証拠にこの穴の直後、「以下『男性労働者』という」なんて書いてあります。だったら最初からそう言えばいいじゃん。でも、ダメだったんです。ただの男性労働者だと問題があるからです。「パートの男性労働者」は除外しなければいけないのです。


出題者の身になって考えてみます。


正解肢が「常用」の労働者ですから、ダミーに「非常用」という選択肢だと受験生に「常用か非常用が答えだな」と見透かされてしまう。しかも「非常用」ってなんだよ。エマージェンシーかよってことにもなる。じゃぁ、「非典型」とでも入れておくか。


「常用」に似た言葉で受験生を引っ掛けるとすれば何か。労働者すべてでは絶対にダメなんだから、それをダミーにしておくか。そう、「全労働者」なら明らかな×の肢で疑義も生じない。


あとひとつ選択肢を作らねば。パートも含めた労働者ではないってことを言いたいんだから、パートを含んだダミー選択肢でキャッチーな単語がないかなぁ。あっ、「労働基準法上の労働者」なんて、社労士試験の受験生が「そうそう、労基法と労組法の労働者って、定義が違うんだよね。これがいかにも正解っぽい」と喜んでひっかかりそうだ。


もちろん、労基法上の労働者にはパート労働者も含まれます。となれば、「全労働者」と「労基法上の労働者」って、かなり意味が近い。似たような意味を持つ選択肢の場合、どちらかを○にするともう一方がどうして○じゃないのか、合理的に説明できなければいけない。できないよね。だってどっちも×なんだもん。


てなところでしょうか。


模試で出てくる選択式問題のダミーは、あまりにバカらしい選択肢を入れてこない傾向にあると思います。ちゃんと前後の文脈も意識した、それはそれで論理的に意味が通る選択肢を入れたがる。一方で本試験の問題作成者は学者先生主体。しかも行政出身者が多い。おそらく、正解肢に対して「これも正解の可能性があるのでは」などという疑義が入るのはイヤだ。かといって受験団体のように「受験生の引っかけ方」に熟知しているわけでもない。


すると、前後の言葉の文脈などはあまり気にせず、とにかく疑義が生じないことを優先して単語探しをするのではないか。


結局あの時、どうすれば良かったか?

  • 出題者もダミー選択肢を作るのに悩んでいる。その点、数値問題はダミーが作りやすいから、正解にたどり着く可能性は低い。自信を持った答えを出せないのならサッサとあきらめる
  • 空欄前後の単語を含めて抜き書きし、4つの候補を俯瞰する。そして「差分」を取り出す。その「差分」の中にどれかひとつ、仲間はずれがあるはず。それが正解だ
  • 正答だと思った用語の反対の意味の用語を想像してみる。「男性の『全労働者』」が答えだと思うのなら、「男性の『全労働者以外の労働者』」が存在するのか、考えてみよ(いないよね。ってことは、「男性の『全労働者』」という言葉自体がナンセンス!)」



コメント(6) 

コメント 6

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信州のたぬき

素晴らしい解説ですね。脱帽です。
by 信州のたぬき (2017-07-31 08:19) 

通りすがりのサラリーマン

今となっては懐かしい問題ですね(笑)

私はかろうじて2点救済でした。

時間が刻々と過ぎる中、確実に答えられたのが設問Eだけでした。
最後の最後でやったのが、C・Dに同一解答を入れることでした。
確か、最も低いを選択したような気がします。

学校で、何としてでも2点は死守しろ!!
選択式で同じ解答を入れてはいけないというのはないのだからと言われました。

あれがなければ私も無限ループに陥っていたかもしれません。

by 通りすがりのサラリーマン (2017-07-31 15:05) 

バロン

>信州のたぬきさん

冷やかすのはやめてください(笑)。頂いた事務指定講習のお下がりテキスト、実は今、すごい読み込んでいます。本当にありがとうございます。
by バロン (2017-08-02 20:24) 

バロン

>通りすがりのサラリーマンさん

「知っているか、いないか」は、その後の人生の歩み方にこれほど大きな違いを生むこととなろうとは。知識だけだなく「解きかた」においても。ある意味、本試験の選択式は必ずしも「知識」が無くても解けてしまう可能性があり、そこが「ムベンの破壊力」という言葉にもつながるんですね。
by バロン (2017-08-02 20:25) 

信州のたぬき

バロン様
冷やかしてなんかいませんよ。講師になれそうな解説だと感じました。幾らかの遠回りも無駄にはなりませんね。
あのテキスト、お役に立っているようで嬉しいです。
貴兄に贈ろうと綺麗(?)に保存しておいてよかったです。
さて、3月から出向していますが本来業務のほかに「労務も頼む」と言われてしまいそれにも携わっています。
社労士試験では聞いたこともないようなものが実務では出てきますので、生きた勉強と思い楽しんでいます。
これらもいつの日にか役に立つかなと思いコピーをPDFで保存しています。
by 信州のたぬき (2017-08-03 11:39) 

バロン

>信州のたぬきさん

いつもありがとうございます。今、ミスった選択式を振り返っていますが、「なんでこんなの落としたのかなぁ」という問題ばかりで、イヤになります。実務に携わったからなのか、試験から離れたからなのか。いずれにしても、今では良い思い出であり、人に自慢(!)できる経験となっています。
by バロン (2017-08-13 01:10)